うわごと。

散文ばかりをまさに散らかしている。

『Mum’s spot』に寄せて。

一週間と少しが経ちましたが

 

松菊×いぜるい〜あ合同企画

Mix.01 『Mum’s spot』

アドラステア

ロナルド

オリンピックに向けて

 

無事に終演いたしました。

 

まず、本格的な自粛期間の直前だったからとはいえ、最後まで敢行できた事、無事に終わった事を有り難く思います。

 

始まりは、佐々木一樹という男の一言でした。

今回の企画の発起人なんですけど。

彼が声を掛けてくれなかったら、こうして関わる事はなかっただろうと思います。

 

実質三つの座組を同時に引き受けるような形になりましたが、これはこれで新しい経験になりました。

 

集まった役者さんも実に様々で個人的には扱ったことない本だけでなく、演出としてご一緒したことないタイプの役者さんもたくさんでした。

 

公演をみんなで作り上げていく中で、作品からも、座組からも、結局コミュニケーションってなんなんだろうなって、そういう設問がずっと頭の中にありました。

 

ここ数年、演出家として現場を引き受ける度に伝え方について考えてきました。

優しさと甘さの境界線の見極めが難しく、熱くなってそれを見失っているのではないかと。

厳しさが優しさとして伝わるのはどこまでなのか、どんな言葉を選べば。

 

すみません、不粋で、野暮な話だと思います。

 

自分なりに精一杯の手を尽くして、言葉を尽くして伝えようとしました。

仕事だから、立場上、様々な理由はあったかと思いますが、スタッフさんも含めた座組のみんなは最後まで応えてくれました。

もしかしたらそれは、少しは信じてついてきてくれたのかもしれません。

だけど、心の中で、頭の中でどう思ってるかは結構どうでも良くて、行動としてそうであった事をとにかく有り難く思います。

 

いろんな事を考えました。

きっと座組のみんなもいろんな気持ちを抱えたと思います。

 

だけど、稽古場ではとにかく稽古して、たまに話し合ったり意見交換したり、時間を譲りあったりして。

 

三作品の上演、三つの座組のような形でしたが、結局『Mum’s spot』らしい雰囲気を持ったひとつのチームだったなぁと感慨深く感じていました。

 

図らずも、作品の中で向き合ったコミュニケーションや不毛な会話、心と言葉の一致不一致みたいなものって、座組の中にたくさん落ちていたなと思います。

本当に歪な座組でした。

他意はありません。ほんとに。ほんとですよ。

でも、それがひとつにまとまったのって、佐々木一樹という男の力なんだと思います。

 

発起人として、最初から最後まで、誠実に、そして事あるごとにみんなにお礼を伝え、力を貸してくださいと言い続けていたんです。

多分みんな、少なくとも確実に僕は、それに応えたくて、持てる力をすべて出そうと思って臨んでいました。

 

本当は脚本それぞれの話とか、話したかった事はたくさんあるんですけど。

考えてみたらこれが一番、核だったのかなと思います。

優しさと甘さの境界線。

優しさは、情熱や誠意の形になって届く。

そういう事もあるよなって、思いました。

 

作品の話があんまりできませんでしたが、少しだけ。

『迷惑をかけたらその分自分も傷付くし、相手にも傷付いてほしい』

『何でも楽しんで、ね。結局はそれだけですよ』

『でも、こんなに話せて、すっきりはしました』

各作品、僕が個人的に好きな台詞です。

願わくば、皆様にも光って届いていますように。

 

そうでないとしても

 

Mum’s spot 観劇の為ご来場いただいた皆様。

 

応援し、支えてくださった皆様。

 

スタッフ、演者、美術やフライヤー制作、作家として力を貸してくれたみんな。

 

劇場空間を提供し、サポートしてくださったGEKIBAさん。

 

最後まで読んでくださった貴方も。

 

関わってくださったすべての皆様。

 

本当にありがとうございました。

 

最後にお気に入りの舞台美術を添えて。

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