うわごと。

散文ばかりをまさに散らかしている。

『ガラリ』に寄せて。

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表現集団 式日 第二回公演『ガラリ』

無事に幕を下ろすことができました。

 

創る側としても、本当に何度も考えさせられる作品でした。

鋭利な刃物だなって。

だから誰かを傷付ける事がないように、恐れながら。

だけど伝えたい事が伝えられるように、振り絞って。

 

進めていく中で、次第にこれは家族の形に限らない話をしているかもしれないと思いました。

人との関わりの中で、在りたい形のようなものがあって。

それは在るべき形とは違う事もあるし、もっと言えば、在るべき形なんてものは本当はないのかもしれないとすら思ったりもして。

 

生まれるという事以外、選ぶのはいつも自分だ。

だけど、選ぶのが怖い事は数え切れないほどある。

 

カッコよくなんかなくていいし、強くなんてなくていい。

向き合わなくてもいいし、逃げてもいい。

良い奴じゃなくていいし、ヘタクソでもいい。

それでも自分で選べていたら、その意志が尊いんだと思います。

そんな選択肢のせめてどれかひとつにくらいは

『ガラリ』が、選ぶ意志を支えられていたら良いなと思います。

 

世に放つ事で様々な反響がありました。

当然嬉しい感想ばかりではありませんでした。

誰かが、心の底から、苦しいくらいに共感してくれた物語だったのに、否定されるような形にしてしまってごめんなさい。

そんな気持ちになったりもしました。

だけどそんな感想も全部が、僕にとっては励みになります。

成長する機会を与えてくださって、本当にありがとうございます。

 

何より、涙を流したり、晴れやかな笑顔で、自分の人生の一部すらも話して、作品の感想を伝えてくださった方がたくさんいらっしゃいました。

本当に、ありがとうございます。

支えになりました。自信になりました。

式日が向きあってみたいと思ったものは、こんなにもたくさんの方に受け止めていただけるものになったんだと、安心しました。

 

書き出したらキリがないくらい、たくさんの感想をいただきました。

苦しんだり傷付いたりした方も少なからずいる事も、わかっているつもりです。

決して苦しめたかったわけでも、傷付けたかったわけでもないですが、その結果をまた否定できないのも事実で。

その上で、そういう方たちに対してできることは少ないです。

だけど忘れません。

全部はわかんないけど、だからこそこの目で見たものだけは受け止めて、また背負って次を創ろうと思います。

そんな形でしか、お返しできないんです。

 

 

改めまして、こうして形になるまで一緒に向きあってくださったキャストの皆さん、スタッフの皆さん、式日のふたり、皆々様に感謝です。

そうして形になったものを見届けに来てくださったお客様も、遠くから応援してくださった方々にも心からの感謝を。

関わってくださったすべての方々へ

本当に、ありがとうございました。

 

 

『ガラリ』を、価値のある作品として受け取ってくださった方々と同じように

いつか、貴方にとって必要な、価値のある作品を創れるように、人生とか、心とか、言葉にできなかったものを見つめて生きていきます。

 

また、たったひとりの誰かを探しにいきます。

こんな愚直な創作の道で、また貴方と出会えますように。

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『無神論』に寄せて。

こんばんは。

旗揚げを終えて、もう何日も経ちました。

何か書き残そうと思ったんですが、待っても待っても、本当に何も言葉が出てこない。

 

わいてきた時に、と思って数日。

結局、言葉は出てこない。

自分は今回に込めた想いを、板の上に置いてこれたんだろうか。

 

 

 

 

更に数日経って、ようやく少し出てきた。

なるべく野暮にならないように、書いてみようと思います。

 

 

振り返ってみれば、エゴにまみれた作品だったなぁ。

枯れてしまった自分と決別する為に始めた企み。

力を貸してくださったすべての方々は共犯者のようなものだ。

 

わかってもらえないものとして作り上げていったのに、関わってくれる人たちや、お客様の声を聞くにつれて、わかってもらいたかったんだなぁと、じわじわと実感していく日々でした。

 

とはいえ、髙木展とすら、わかりあえなかった。

キャストのみんなとも、少しずつわかりあいながら、思いっ切りわかりあえないまま、お互いを赦して見守るような日々でした。

それだって十二分に幸せな事だったと思います。

みんな、わからないまま僕の想いを自由に赦して置いてくれました。

 

新藤レイジとして、脚本に書かれるように役作りをしなくていいと。

自分のままで立ち、それを新藤レイジに落とし込んで完成させる事。

それが、僕が髙木から受けた唯一のディレクションでした。

正直怖かった。

自身を曝け出して、恥も外聞もなくぶつかる事は恐ろしかった。

本当は今でも怖い。

恥ずかしいと思っていた時期もあった。

対岸の人たちに笑い飛ばされた事もあった。

野次られ、揶揄され、否定されてきた。

こう在りたいと思う事が、思い続ける事が、こんなに難しくてしんどいのかって思ったりもした。

でも、どこまでいってもそうでしかなかった。

 

せめて何か伝われば、残せればという祈りは、自分にとっては確実に報われるものとなりました。

基準なんて人それぞれだとは思いますが、何も伝わらない内は、わかるとか、わからないとかって判断できないんじゃないかと思ってるんです。

その前提の中で、痛い程わかると言い切ってくださる方から、まるでわからなかったと言ってくださる方まで、その判断ができるレベルまでは何かを伝える事はできたのかなと、安堵したりしていました。

 

それがあるだけで、やって良かった。やれて良かった。心からそう思います。

 

話は変わりますが、様々な意見やアドバイスもいただきました。

成果と共に課題もたくさん与えていただけた事は大変有り難く、得難い機会に恵まれたと思っています。

 

生きる事を選ぶのは、難しいですね。

別に死ぬ事が簡単だとは思いません。

結局どちらも等しく重たい選択となって、無自覚であっても、そうでなくても、その選択を繰り返して皆生きている。

愛おしい事です。

 

思い残す事のない公演を目指してきました。

ですが、思い残す事がないと言えば嘘になります。

 

それで良かった。それが良かったと思ってます。

だから、だからこそ、また作ります。

式日はこれからも、表現活動を続けます。

 

もしこの結論が、ポジティブに映っているなら、良い事だと見ていただけるなら、皆さんが生活を続けていく事も同じように素晴らしい事だと思います。

少なくとも僕は、バカみたいにそう確信しています。

 

なんだか、何が言いたいのかさっぱりわからなくなってきてしまいました。

少なくともこの作品が、こちら側の人へ贈る”愛”になっていればいいなと思います。

そちら側の人たちにとっても、ひとつの”優しさ”になっていれば嬉しいです。

 

最後になりますが

無神論』に力を貸してくれたキャストのみんな、スタッフの皆さん。

応援してくださった皆様、劇場に足を運んでくださった皆様。

今回の公演に関わってくださったすべての皆様。

本当に、本当にありがとうございました。

 

また、新しい表現の場でお会いできたら幸いです。

これからも、よろしくどうぞ。

『Mum’s spot』に寄せて。

一週間と少しが経ちましたが

 

松菊×いぜるい〜あ合同企画

Mix.01 『Mum’s spot』

アドラステア

ロナルド

オリンピックに向けて

 

無事に終演いたしました。

 

まず、本格的な自粛期間の直前だったからとはいえ、最後まで敢行できた事、無事に終わった事を有り難く思います。

 

始まりは、佐々木一樹という男の一言でした。

今回の企画の発起人なんですけど。

彼が声を掛けてくれなかったら、こうして関わる事はなかっただろうと思います。

 

実質三つの座組を同時に引き受けるような形になりましたが、これはこれで新しい経験になりました。

 

集まった役者さんも実に様々で個人的には扱ったことない本だけでなく、演出としてご一緒したことないタイプの役者さんもたくさんでした。

 

公演をみんなで作り上げていく中で、作品からも、座組からも、結局コミュニケーションってなんなんだろうなって、そういう設問がずっと頭の中にありました。

 

ここ数年、演出家として現場を引き受ける度に伝え方について考えてきました。

優しさと甘さの境界線の見極めが難しく、熱くなってそれを見失っているのではないかと。

厳しさが優しさとして伝わるのはどこまでなのか、どんな言葉を選べば。

 

すみません、不粋で、野暮な話だと思います。

 

自分なりに精一杯の手を尽くして、言葉を尽くして伝えようとしました。

仕事だから、立場上、様々な理由はあったかと思いますが、スタッフさんも含めた座組のみんなは最後まで応えてくれました。

もしかしたらそれは、少しは信じてついてきてくれたのかもしれません。

だけど、心の中で、頭の中でどう思ってるかは結構どうでも良くて、行動としてそうであった事をとにかく有り難く思います。

 

いろんな事を考えました。

きっと座組のみんなもいろんな気持ちを抱えたと思います。

 

だけど、稽古場ではとにかく稽古して、たまに話し合ったり意見交換したり、時間を譲りあったりして。

 

三作品の上演、三つの座組のような形でしたが、結局『Mum’s spot』らしい雰囲気を持ったひとつのチームだったなぁと感慨深く感じていました。

 

図らずも、作品の中で向き合ったコミュニケーションや不毛な会話、心と言葉の一致不一致みたいなものって、座組の中にたくさん落ちていたなと思います。

本当に歪な座組でした。

他意はありません。ほんとに。ほんとですよ。

でも、それがひとつにまとまったのって、佐々木一樹という男の力なんだと思います。

 

発起人として、最初から最後まで、誠実に、そして事あるごとにみんなにお礼を伝え、力を貸してくださいと言い続けていたんです。

多分みんな、少なくとも確実に僕は、それに応えたくて、持てる力をすべて出そうと思って臨んでいました。

 

本当は脚本それぞれの話とか、話したかった事はたくさんあるんですけど。

考えてみたらこれが一番、核だったのかなと思います。

優しさと甘さの境界線。

優しさは、情熱や誠意の形になって届く。

そういう事もあるよなって、思いました。

 

作品の話があんまりできませんでしたが、少しだけ。

『迷惑をかけたらその分自分も傷付くし、相手にも傷付いてほしい』

『何でも楽しんで、ね。結局はそれだけですよ』

『でも、こんなに話せて、すっきりはしました』

各作品、僕が個人的に好きな台詞です。

願わくば、皆様にも光って届いていますように。

 

そうでないとしても

 

Mum’s spot 観劇の為ご来場いただいた皆様。

 

応援し、支えてくださった皆様。

 

スタッフ、演者、美術やフライヤー制作、作家として力を貸してくれたみんな。

 

劇場空間を提供し、サポートしてくださったGEKIBAさん。

 

最後まで読んでくださった貴方も。

 

関わってくださったすべての皆様。

 

本当にありがとうございました。

 

最後にお気に入りの舞台美術を添えて。

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痘痕も靨。

質問箱に興味深い質問が届いていたので、久しぶりにブログでお答えします。

まず質問はこちら。

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面白い着想ですね。

 

確かに、お芝居以外にも様々な場所へ行ったり何かを見たり聞いたりする事は価値のある事だと思います。

VRゴーグルなので、本物さながらに五感すべてを刺激する、とまではいかないかもしれませんが、それはそれで見識や見聞が広がると思います。

お芝居を10回観るお金を使えば小旅行にいけたりもするので、どこかへ自分で赴いて実際に体感するほうが良いかもしれません。

なんだかんだ言って、本物の体験が一番ダイレクトに自分の見識や見聞を広げられるかなと思います。特に見聞は。

 

ただ、それらの体験とお芝居を(10回)観る事のどちらのほうがという優劣はないのではないかと思います。

深海も宇宙空間も、言ってしまえば世界の果ても過去の世界もVRでは結局、どんなに本物の映像を使っても、どんなにリアルに描かれていても、映像として再現されたものです。もちろんそれを悪いとは言いません。素晴らしい技術だと思います。

お芝居もそれはそれで、台本を元に作り上げられた出来事であったり人だったり生活だったり、感情だったり。そういうものの再現です。

 

少し形は違えど、それぞれの再現の光景の中から何を読み取ったり感じ取ったり、どんな感想を持つかは結局自分次第なんだと思うんです。

 

確かに、残念ながら駄作と感じる芝居は存在しないとは言い切れません。

ですが、特別な光景に比べたら芝居なんて…と斜めに構えてしまっているとしたら、もしもそうであるとしたら、それは少し勿体無い事だと思います。

 

自分語りをするのは申し訳ないのですが、少し自分の体験を踏まえて話します。

1度目に見た時は本当に楽しめなかった映画を、誰かに見たいと言わせる事を目的として見直し、プレゼンするという遊びをした事があります。

この遊びから僕は、捉えようによっては楽しむ要素は案外どこからでも見つけ出せるのかもしれないと興奮した事を覚えています。

作品を楽しむ可能性が広がった事に喜びを覚えました。

この場合だと楽しみ方に特化した形になりますが、何をどう捉えるかは本当に自分次第なんだなと思いました。

これを僕は、自分の見識が広がったと認識しています。

 

もちろん、好きだと思えないものや、嫌いに感じるものを無理に好きになったり肯定的に捉える必要はないと思います。

でも、興味が持てなかったものを、諦めないでもらえたらいいなと思います。

なんだか説教臭くなっていたらすみません。

 

質問ありがとうございます。

良かったらまた質問してくださいな。

 

ちなみに質問箱はこちら

https://peing.net/ja/noimnotex?event=0

『うつくしくきれいなわたしたちのくに』に寄せて。

随分経ちましたが、

カラスミカ企画

『うつくしくきれいなわたしたちのくに』

無事に幕を下ろしました。

 

また観たいから、なんてスケジュールを調整してリピートしてくださるお客様もいらっしゃったりして

25席×4の100席を、皆様にたくさん埋めていただけた事を何より有り難く思います。

 

女性同士の恋愛描写だって本当は特別な事でも何でもなくて、注意書きも必要なく普通にできる世の中になったらいいなぁって思っていました。

実際に受け取ってくださった皆様も、ただそのくにをうつくしく捉えていただいただけで、偏見も何もなく、真っ直ぐ見つめてくださる方ばかりで、世の中の不確かな風潮はもしかしたら誰しもがそうであると思い込んでいるだけで、殆どの人が良い意味で気にしてすらいないものなのかなぁなんて、嬉しく噛み締めていました。

 

アンケート代わりのお手紙も、SNSのご感想もイラストまで、作品への愛に溢れるものがたくさんで、独特の気持ちになった事はまだ記憶に新しいです。

熱烈な感想とか、感動のまま書かれる感想って少なからず、有難い事に見てきたんですけど、そういうのとは違ったというか。

なんていうか、作品とか、カラスミカ企画そのものとかを、お客様自身が凄く大切に愛してくださってるんだなぁって勝手に思ったんです。

違ったらごめんなさい。

そういう、深い愛情みたいなものをご感想からこんなにたくさん感じる機会ってなかなかなくて、それがすごく新鮮だったんですよね。

本当に、ありがとうございます。

 

今回の座組は少人数で。

大きな座組が続いていたので、これも久々で新鮮でした。

密度と一緒にゆとりのある距離感だなぁと思っていました。

実は僕自身はみんなに馴染むのに少し時間がかかったりして。

でも最終的にはみんなのほうから近付いて来てくれるようになって、なんか気が付けば馴染んだなぁって感じでした。

やっぱりこう、振る舞い方に気を遣いますね、女性ばかりの中に男が一人って。

今回の題材を取り扱っておいて、女性とか男性とか言ってもって思う部分もあるんですけど。

始めから、紅一点ならぬなどと言っていたんですけど、実はこれには理由があって。

 

あ、もしかしたらこれ以降は早速、野暮な事になるかもしれません。

だいぶ時間も経ちましたけど、観劇後の余韻や印象を守りたい方は読み飛ばしてくださいな。

 

僕自身がなんていうか、性別の自己認識が曖昧なままなんですよね。

これは別に、ジェンダーアイデンティティに悩む方々に比べれば本当にすごく小さな、些細な違和感でしかないと思うんですけど。

緑一点って言葉を使うのをつい躊躇ってしまって、そんな書き方をしたんです。

果たして男と堂々と名乗っていいものか、みたいな。

 

そんな自分が、俗に言う”【普通】の男性”の役を預かる事は、実は結構勇気が要りました。

いや別に、今までも、預かった役はどれも男性だし、まぁこう、普通っちゃ普通だったんですけど。

今回はなんていうか、改めてそれを意識して、理解した上でポジションを取る事が重要な役だなと感じて。

あんまり気にしないように、触れないように、そっとして置いてきた自分の中と向き合うのにはやっぱり、少しばかり不安はあって。

 

肩書もレッテルも自覚も真逆な彼を、どう理解していっていいものか、なんて思ってたんですけど、蓋を開けばやっぱり男性とか女性とかシスとかトランスとかあんまり関係なくて、人生ってそれぞれにそれぞれなんかあるもんなのねって結論と共に、安心したのを覚えています。

 

話は変わりますが、それとは別に表現に携わる立場としてこの物語に戦いと生みの苦しみを見た事はやっぱり触れておきたいです。

嘘と本当、フィクションとノンフィクション、理想と現実、この狭間を縫って、バランスを保って、そういう部分の事、稽古にも作品にもたくさん詰まっていたなって。

こういう側面と悩みはほんとにあるなって。

でも、それでも僕は、崇高なものにも、難しいものにもなってほしくないなって思ってます、創作ってものが。

その根底にある”伝えたい”だけで、成立していてほしいから。

 

あと、これは本当に個人的な事でしかないし、お客様にはなんの関係もない事かもしれませんけど。

ヒナタアコという、敬愛する劇作家、そして演出家の復活を、板の上で祝福できた事を、嬉しく思っています。

 

伝えなくてもいいです、なんにもわかんなくてもいいです、ただ、おかえりって、お客様にも思ってもらえたら嬉しいです。

 

最後に改めて。

 

一緒に向き合ったアコちゃん、杏奈ちゃん、せりかさん、穂南、わかな。

 

写真撮ってくださったMao,uさん

 

受付手伝ってくれた中野。

 

場所を与えてくださった兎亭と、斉藤さん。

 

客席で一緒に観て、受け取ってくださった皆様。

 

応援してくださった皆様。

 

関わってくださったすべての方々へ、本当にありがとうございました。

 

最後まで読んでくれてありがとう。

それじゃ、またね。

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舞台歴

書ききれなくなってきたので。

 

2016年 5月 Domix Motion Comic Live 1 ビーボ役(アンサンブル主演)、僧侶役

2016年 9月 演劇企画ユニット 劇団山本屋 「5号」

『Super natural Blue~別の言葉で何と言うの~』 リッツン役

2016年10月 Domix Motion Comic Live 2“ファイヤーマン” トビー役(アンサンブル主演)

2017年 2月 演劇ユニット Human Spice 旗揚げ公演『叫べ。』音響

2017年 5月 Domix Motion Comic Live 3“Hungry Soul” 演出 舞台監督

2017年 9月 Domix Motion Comic Live 4“交通事故鑑定人 環倫一郎” ヘンリー役

2017年 11月 舞台『リコとマスカレード』 演出 舞台監督 照明

2018年 2月 Domix Motion Comic Live 6“ZOMBIEMEN” 演出 舞台監督 広告代理店オーナー役

2018年 6月 演劇ユニットHuman Spice 第三回公演 『上がれ』 服部アキ役

2018年 6月 Domix Motion Comic Live 7“the Best” 舞台監督補佐 演出助手

2018年 8月Lusso Café Harajuku コラボ企画 『ふたつ。』 企画 制作 脚本 演出 康太役(主演)

2018年 9月Domix Motion Comic Live 8”サクヤコノハナ” 十喜弥役(アンサンブル主演)

2018年 10月 舞台『マスカレードとカサンドラの吸血鬼』演出 舞台監督 吸血鬼”K” 役(主演)

2018年 11月 Spiral Moon第39回公演『トリックスター』赤石良則役

2019年 5月 Domix Motion Comic Live 9 ”Paranoia” 演出 舞台監督

2019年 6月 演劇ユニットHuman Spice 第四回公演『ここから。』木村コウジ役 (W主演)

2019年 8月 T・ZONE主催 朗読公演『こんなはなし。〜星新一のはなし〜』 演出

2019年 10月 三栄町Live Stage 演劇ユニット愚者愚者第二回公演『愛執罪。』 富岡裕介役

2019年 11月 カラスミカ企画『うつくしくきれいなわたしたちのくに』滝口康介役

『愛執罪。』に寄せて。

10/27に、演劇ユニット愚者愚者 第二回公演『愛執罪。』東京公演が無事に幕を下ろしました。

 

それに寄せて、なんですけど。

書くにしては随分遅くなりましたが、これには一応僕の中では理由があって。

 

今日、大阪公演の方も、きっと無事に幕を下ろした、はずなんです。

今頃B班のみんなは打ち上げを楽しんでいるだろうな、と思いながら。

 

このタイミングじゃないと、この公演に対する個人的な感想とかも書き散らかす気になれなくて。

 

本当にたくさんのお客様に足を運んでいただいて、様々な形で向き合っていただけて、有り難い、本当に有り難い事だなと思いました。

 

僕の主観なんですけど、今回の座組の皆さんって、円になっていたなぁって思ってるんです。

A班もB班も別け隔てなくひとつの円。

近しい役同士は隣り合って、関わりの薄い役同士でも向い合って、誰も、誰とも関わらない事がない形。

その円の真ん中に、脚本があったのか、はたまた久我真悟という男がいたのか、それとも現実がただ転がっていたのか。

その辺はどれも正解だし、それだけとも言い切れないような感じなんですけど。

 

ただ、そうやって円になってずっと内側と向き合っていくうちに、どうしても各々が苦しんだり傷付いたりしていく様子も見る事になって。

場合によっては手を繋いで一緒に傷付く事にもなって。

台本を掘り下げていけば行くほど、終演後に久我さんが語ったように、フィクションの中に確実にあるノンフィクションの人たちに胸を痛めたり、遣る瀬無くなったり、これからの関わり方を思ったりしていく事になって。

 

でも、誰も逃げようとしなかったなって。

日に日に歩み寄って、みんな傷付いてたなって。

それでも結構稽古の外では笑い合う時間もあって、それに救われたりしてて。

このお話って、ドラッグはダメだよって事だけじゃなくて。

愛と依存って話ってだけでもなくて。

自分勝手に見える人たちの中にある、苦しさに気付けるようになりたい、みたいな。僕にとってはそんな話だったかなって、思うんですよね。

 

あ、野暮だったらごめんなさい。

あくまで、座組を見たり、脚本をたくさん読んでみて、僕はそう感じたっていう主観的な話なんです、これ。

 

正しさを突きつける前に、してあげられる事は、気付いてあげられる事は、ないかなって。

そういう考え方を持てるようになりたいな、なろうなって。

今回の座組の皆さんに、そして一緒に向き合って過ごした1ヶ月半の中で、何より、たくさんの言葉で伝えてくださったお客様のご感想やご意見から、僕が与えてもらった一旦の結論みたいなもの、です。

これから先また、変わっていくかもしれないけど、今は、こういうのを、寄り添うって呼んでいたいなって、そう思います。

 

ここまでのは本当に僕の勝手なあれなんですけど、次の一言だけは少しだけ心に留めていただけたら嬉しいなって思います。

 

しんどいなって思う時はめちゃくちゃ気軽に誰かに相談してください…!

 

それだけです。

 

もしかしたら、演劇ってお客様に楽しんでいただく為だから、エンタメっていうか、こう

『わあ〜楽しかった!』って思っていただける形じゃないとって、どっか思ってたかもしれません。

いや、今までも、何度もただのエンタメとは言えない作品に関わらせていただいてきました。

その度、やっぱり尖った部分については慎重に考えないとと構えていたんですけど。

 

今回はなんていうか、傷付く事とか、傷付ける事をそのまま全部、まるっと抱き締めて、覚悟を決めないといけなくて。

もちろん慎重になるところはあったんですけど、あくまで表現としては遠慮してはいけないっていうか。

それはそのまま自分自身のしんどさとか、負担とか、負荷になっていって。

 

ものすごく、笑ってくれてもいいってくらいの話なんですけど。

あ、こっから先は本当に自分と役の個人的な話なんで読み飛ばしていただいても大丈夫です。

興味のある人だけでも読んでいただけたら。

 

 

裕介という役、彼を預かって、彼から誠へどうしても連絡して伝えたい事が、あって。

台本の上では描かれなかった、僕が勝手に、彼はきっとそれをずっと躊躇っていただろうなって思っていた部分なんですけど。

どんな感じだったんだろうって、想像してみようって、スマホを手にとって発信画面を開いたんです。

お腹の奥が重くて、心臓がやけに軽くて、そのままずっとベッドの前に蹲って、気付いたら夜中の3時で。

別にこんなもの夢中になってた自分の勝手だし、彼の人生を歩いたなんて言うつもりもないんですけど。

あの時間だけは、多分、きっと、僕自身の人生を歩けてもいなかった、そんな時間だったなって。

ね、笑うしかないでしょ、こんな話。

 

もっとたくさん書き散らかしたい事はあるんですけど、長くなっちゃったし、この辺で。

 

改めまして。

一緒に板を踏んだA班の皆さん。

 

A班の気持ちも背負って大阪まで足掻き続けていた、B班の皆さん。

 

作品を創っていく為に表の事も裏の事もたくさんやって、ずっと引っ張ってくれた愚者愚者の3人。

 

受付からチケット管理、雑務も含めて縁の下で支えてくださった三栄町のスタッフの皆さん。

 

名前も知らないけれど、自分たちの真実を語って聞かせてくださったであろう、久我さんが言っていた取材先の方々も。

 

応援してくださったお客様も。

ご来場いただいたお客様も。

 

関わっていただいたすべての皆様へ。

本当に、ありがとうございました。

 

 

最後に、無事に終えたB班の皆さんと、B班へエールを送った日のA班の皆さんの写真を添えて。

 

ここまで読んでくださってありがとうございます。

それでは。

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