うわごと。

散文ばかりをまさに散らかしている。

生きる事と手を繋ぐように。

質問箱に、短い文章では答えられなさそうなのが来ました。

 

改めて僕自身も考える機会になりました。

少しでも役に立つことを願って、ここに書き散らかします。

 

まず、質問はこちら。

 

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アドリブって難しいですよね。

まず、おさらいなんですけど。

即興でやる事を

エチュード とか

アドリブ とか

インプロ とか

呼びます。

これらの違いは言語です。

見ればわかるって?

そういう意味じゃなくて。

上からフランス語、ラテン語、英語なんです。

なんでこんな事を言い出したかって、結局意味は”即興”で、同じなんです。

でも、なんとなーく界隈で違う使われ方をしてるなぁって感じてます。

 

これはあくまで僕の主観的な印象なんですけど。

アドリブっていうと本番中のトラブルを繋ぐ芝居だったり、台本上毎回違う事をするように要求されてるシーンのお芝居とかって印象です。

 

エチュードは、設定だけを決めて始めから終わりまで台本なしのお芝居って印象。

 

インプロは即興芝居の練習って感じでして。

 

これは、ちょっと違う場所へ行くと印象自体は入れ替わる事も多々あるんですけど、どこへ行っても微妙にそれぞれ違う意味で使われる事が多い気がしてます。

 

話が逸れかけました。

少し戻して。

なんでもそうなんですけど、目的を明確にして、適した努力をする事が大切だと思います。訓練として取り組む場合、”即興”は様々な要素を育てるものですが、そのどれを身につけたいかを考えてみるのはどうでしょう?

”即興”で育つものは何か?

そのいくつかを、あくまで僕の解釈で説明していきます。

 

大まかに言うとひとつは、自然に会話する能力を育てるものだと認識しています。

その為、言われた事や起こった事を受けて、感じた事を口に出したり、行動を取る。

会話を終息させないように、始めはなるべく否定せず肯定した上で、それに続く自分の考えや想いを述べる事、行動を取る事が大切だと思います。

取り組む事で基礎的な会話能力の向上へ繋がります。

そもそも会話が続かない場合、根本的なコミュニケーション能力に不足があるかもしれません。

それ自体は悪い事ではありませんが、”即興”に取り組む前に、普段の人との会話から身につけられるものがたくさんあるので、そちらを優先した方が遥かに効率的です。

 

別の要素として

”役らしさ”を培うものだと認識しています。

どんなに自然に会話ができても、自分自身のままではお芝居はなかなか成立しません。

なので、こちらを重視する場合は

会話が続く事よりも、役がしないであろう言動を避け、仮にしてしまった場合自分の中できちんと違和感を感じられるかが重要だと思います。

例えば何かの台本の役としてこれを実践した場合

その仕上がりはそのまま、現状の役作りの進捗や質を測る指針になると思います。

 

上記のふたつを同時に、並行して行う事というのは往々にしてあります。

ですが、苦手なうちはひとつずつ意識して、まずは慣れていく事と、楽しんで、好きになれる事が上達の近道だと思います。

更に言えばこれを訓練ではなく演劇としてやる場合には、最低でももうひとつ重要な要素が加わる事になります。

 

それは”作家力”です。

当然なんですけど、進行する予定の台本が存在しないからといって、好き勝手にやれば面白くなるわけではありません。

ある程度の設定が前提としてある上で、これまでの文脈を読み取り、誰かの言動を伏線とするアイディアを持ち、先の展開を考えて、その方向へ進むようにお芝居をして物語を盛り上げる。

台本を読む様に、目の前でたった今展開した会話ややり取りを読解して汲み取り、次の台詞を作り上げる作家のような思考が必要になります。

結局それは”即興”の根本として要求される

『周りを見て、受け取り、反応していく』

要素の応用なのですが、これがない事には、見応えのない物語になります。

 

これらを成立させ、質を上げる為には、即興劇のプレイヤー全員がある程度自分の中で設定を持ち、一貫した言動を行う必要があります。

何にも予兆がなかった役が突然犯罪者になる展開は、誰しも無理やりだなと考えるからです。

理由を持って不可解な言動を行っていれば、それは伏線になっていきます。

必ずしも不可解な言動を行う必要はありませんが、”即興”において相手を信じて伏線になり得る言動を行う事には大いに価値があります。

 

少し話は変わりますが。

台本を奪われると驚くほど話せなくなる役者さんは多いです。

だけど、台本がなくても話せる役者さんは、そのままその人がその言葉を口に出す時のそれとして、自然に台本の台詞も話します。

本番中もちょっとしたトラブルに自然と台詞を変えて対応する事もできます。台本の外に突然出されても生きていられます。

それが重要なんだと思います。

役作りや”即興”に必要な能力がある程度揃っていれば、台本の外に出されても、生きていられるんです。

これは役者として大切な能力ではありますが、台本を使った稽古だけではなかなか育ちにくい能力でもあります。

だからこそ、今僕が書き散らかした事や、言ってしまえばそれ以上にたくさんの事を分析して把握し、明確に意識して稽古し、身に付ける事はとても大切な事です。

 

難しいと感じるのは、それだけ大切だから当然の事で、それを身につける為にこうして人に訪ねる向上心を僕は尊敬します。

随分偉そうに書き散らかしましたが、僕自身もまだまだです。

 

未熟な僕の回答が、お役に立てば良いのですが…!

 

これからも質問に答えられるよう、期待に応えられるように僕も頑張ります。

お互い頑張っていきましょうね!

 

質問ありがとうございました!

また良かったら質問してくださいな。

https://t.co/iooyCOWbCb